【日本でのドメスティック・バイオレンス被害の現状について】  
   
 ドメスティック・バイオレンスは、日本でも頻繁に起こっていてその被害は深刻である。
司法統計によると、妻からの離婚調停申し立て理由の約三割は「夫の暴力・酒乱」で、この割合は二十数年来変化していない。毎年一万人以上の女性が、夫の(身体的)暴力を理由に離婚していることになる。
 

 日本で初めての「夫(恋人)からの暴力」全国調査(1992)では、回答した女性(796人)の八割が、なんらかの身体的、精神的、性的暴力の被害を受け、四割以上の女性が、三種の暴力すべてを経験していた。東京都の調査(1997)では、「夫やパートナーから暴力を受けた」と回答した女性(1183人)のなかで、「立ち上がれなくなるまで、殴る蹴るなどのひどい暴力」を「何度も」もしくは「1〜2度」受けた女性は、約3パーセントで、100人に3人の女性が、刑法の傷害罪、暴行罪に該当する暴力を受けたことがあることになる。「刃物をつきつけて脅す」については、100人に1人(約1パーセント)が被害にあったことがあると回答している。総理府男女共同参画室の全国調査(1999)では、回答した女性(1464人)の4.6パーセントが、「命の危険を感じるくらいの暴行」を受けたと述べており、20人に1人の女性が被害にあっている実態が明らかとなった。
 犯罪統計(1995)によると、夫(内縁を含む)が加害者、妻(内縁を含む)が被害者となった殺人は、128件。暴行・傷害等(傷害致死事件を含む)は550件となっている。逆に妻が加害者、夫が被害者となった殺人および暴行・傷害等は、それぞれ79件、64件で、夫から妻への加害行為が9倍も多い。マスコミ報道などでは、「夫婦関係のもつれ」「別れ話のもつれ」から女性が殺害される事件が、後をたたない。
ドメスティック・バイオレンスは、女性の尊厳と安全を脅かすだけでなく、命に関わる「犯罪」なのだ。
 

 
【ドメスティック・バイオレンスが及ぼす子供への影響について】
 
 暴力が、子供たちに与える影響も深刻である。子供たち自身が、暴力・虐待を受けていることもあれば、母親への暴力を目撃して傷ついたり、「暴力を止めさせることが出来ない」などと自分を責めるようになることもある。
 日本では実態が明らかではないが、母親の再婚相手などから子供が性的虐待を受けることもある。また、子供を叩いてしまうと相談機関に援助を求める母親自身が、夫から暴力を受けている例は少なくない。直接、暴力を目撃しなくても、子供はその雰囲気を敏感に感じ取っている。
 
 子供たちへの心理的・精神的影響は大きいが、幼ければ幼いほど言葉で訴えることは難しいし、暴力をふるうのが父親であるから、それを口にするのは容易ではない。
 「夫(恋人)からの暴力」調査研究会の調査では、身体的暴力の経験がある女性(467人)の約3パーセントが、「子供に暴力が及んだ」と回答している。また、東京都などの調査では、暴力が子供に及ぼした影響として「父親への憎悪・恐れ」「情緒不安定になった」「不登校」「ひきこもりがちになった」「兄弟や友人などに暴力をふるうようになった」などがあがっている。
   
【配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(通称 DV防止法)】
(平成十三年法律第三十一号)
(2001年4月6日成立、2001年4月13日公布)

 
 
 
 

 


   
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